宝塚

永久輝せあとは原石でなく、宝石である

彼女を初めて舞台で見たとき、宝石みたいな子だな、と思った。 初見の感想があまりにも気取りすぎている気もするが、本当に、ただ素直にそう思ったのだ。 華がある。目を引く。ただそれだけだ。 が、舞台において、とりわけ宝塚という舞台において、華がある…

「雪組 退団者のお知らせ」によせて

ぼんやりと宝塚公式ホームページを開くと、そこには真に美しい名前が溢れていた。 kageki.hankyu.co.jp タカラジェンヌとしての名前を掲げて生きるということは、強大な幸福と不幸を抱えて生きるということでもあるだろう。 それでも彼女たちの宝塚人生は芸…

宝塚をわざと忘れていた自分への懺悔みたいな話と花組「はいからさんが通る」感想

百億年ぶりにブログを更新しようと思った。 沸き起こる感情が止まらなかったから。さざ波を覆うような大波が起こったから。 まあ、書き始めの理由なんてどうでもいい! だってほら、宝塚は我々の(主語がデカく見えるが、我々=ファン)文化の泉であり、心の…

”明日海りお”に依存する我々は何処へ(上)

明日海りおは永遠に"そこにある"のだと思っていた。なぜか。彼女が自分自身でなく、敢えて我々に明日海りおの造形を任せたからではないか。だからこそ今回のレビューの歌詞は私にとって衝撃的であった。ついに彼女自身が"明日海りお"の定義付けを行ったと見…

柚香光という花男の異端児へ

柚香光はもちろん花男の鏡である。ファンと娘役をとことん愛で、その姿は時にこちらが恥ずかしく成る程の花男である(賛辞である)。が、従来の花男とは一線を賀した所に彼女は今、踏み込もうとしているのではないかと私は思う。 かつての真矢ミキのように。花…

朝夏まなとと真風涼帆の愛し方

朝夏まなとと真風涼帆の「まぁまか」コンビが人気を博したのは記憶に新しい。このコンビへの信頼があったからこそ、劇団は「朝夏まなとトップ娘不在退団」を推し進めていくことができたのだと私は思う。 では、如何にして「まぁまか」は成りえたのか。 二人…

桜木みなとの中に蠢く(うごめく)もの

私は以前、芹香斗亜の色気を「彼女自身の最適解にほぼ値する陰のある、進化の過程を見せぬもの」と考察した。逆に、桜木みなとは良い意味で、男役としての進化の形相を見せてくれる。いや、自身の進化を「見せつけてくる」と言ったほうが良いのかもしれない…

芹香斗亜の危険な美について考察

芹香斗亜はどちらかと言えば陰の人だろう。今にも消えそうな、妖しい光を持つ人。 光が当たっているのに闇が見える人。 寒色が似合う人。センターで寒色が似合うスターは貴重。 enbu.co.jp ゾクリとするような美しさだ。 陰のある人はなぜこうも我々を魅了す…

宝塚歌劇団雪組トップ、望海風斗の美を刮目せよ  ~FNSに五体投地オタクより~

題名の通りである。 無駄な前置きはやめにして、ヅカ沼を目撃した人、ヅカ沼に片足を踏み入れた人、ヅカ沼で既に溺死している人…この世のすべてのFNS視聴者に向けて雪組トップ望海風斗の魅力について解説していこう。あくまでも彼女の美しさに着眼点を置いて…