芹香斗亜の危険な美について考察
芹香斗亜はどちらかと言えば陰の人だろう。今にも消えそうな、妖しい光を持つ人。
光が当たっているのに闇が見える人。
ゾクリとするような美しさだ。
陰のある人はなぜこうも我々を魅了するのか。
それは、危ういオーラは一定数の女性を恐ろしく虜にするものだからだ。
危ういものは刹那的だ。非恒久的なものは、時に恒久的なものよりも人を寄せ付ける。ゆえに、彼女とい続ければ地獄行きだろうな、と思っていても惹かれてしまう。
一緒に地獄に行かせてください、と相手に言わせるのが芹香斗亜である。
最近で言うと、特に「オーシャンズ11」期間の彼女は遺憾なく自身の魅力をその役柄を通して発揮していた。
身長はあるが、線は細い。ゆえに非現実的で、中性的な身体。なのに奔放で、舞台で強烈な色気を放ちながらも自由に動き回り、掴みどころがなく、フラっとしている。正直、何を考えているかわからない。が、全ての物事が彼の術中である気がしてしょうがない。だから、遥羽らら演じるポーラは彼に心配させられると同時に、彼に夢中にさせられている。
ここまでが芹香斗亜自身の魅力でもあるのだ。
余裕があって、どこか危険な香り。そこに惹かれてしまう。
特に宙組に異動してから、彼女の陰のある色気が顕著に見られる。ここにきて、彼女自身が自身の魅力を再理解し、操れるようになったのかもしれない。
危なげない綱渡りの色気は、芹香斗亜の男役に対する最適解になりつつある。この最適解にたどり着くまでに様々な苦労があっただろうが、それすらも彼女の色気の前では見えないような気がする(見せないようにしているのかもしれないが)。あたかも「最初から私はこの状態でしたよ」と言わんばかりの余裕の色気を持つ今の彼女に称賛を送りたい。